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| テッサリア国の王子プリクソスと王女ヘレにはイーノという継母（ままはは）がいました。イーノは、やがて自分に子どもが産まれると、プリクソスとヘレがじゃまになりました。イーノのわるだくみで、プリクソスとヘレはいけにえにされそうになります。 これを見ていたプリクソスとヘレのほんとうのお母さん、女神（めがみ）ネペレは、神々の父ゼウスに２人を助けるようにたのみました。ゼウスはあわれに思い、テッサリアに空飛ぶ牡羊（おひつじ）を送りました。この羊は毛が金色に輝き、人間の言葉も話せました。 この金の羊はプリクソスとヘレを背中に乗せると空高くまい上がり、ものすごいはやさで海の上を飛んでいきました。あまりにはやかったため、王女ヘレは目をまわして海に落ちてしまいますが、王子プリクソスはコルキスにたどり着き、幸せにくらしました。 その後、この金の羊の毛皮は、かしわの木にかけられ、竜に守られるようになりました。この毛皮をもとめて、ギリシアの英雄（えいゆう）たちは帆船（はんせん）アルゴ号に乗り込み冒険の旅に出るのです。 |
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イラスト・文 / KAGAYA
